苫小牧市 ヤングケアラー支援の指針 条例の最終案まとめる

家族の介護や世話などをしている子どもたち、いわゆるヤングケアラーを孤立させないよう、苫小牧市は支援の指針となる条例の最終案をまとめました。

苫小牧市は15日、教育関係者や有識者などでつくる検討部会を開き、ヤングケアラー支援条例の最終案をまとめました。
それによりますと、▼条例の目的は、ヤングケアラーが存在していることに気付いて、孤立させない社会を実現することとしています。
そのうえで、基本理念として、▼家族や身近な人との助け合いを尊重し、ヤングケアラーの意向を踏まえながら市や関係機関が連携して一体的な支援を行っていくことなどを掲げています。
また、行政や市民、関係機関が担う役割も盛り込まれ、このうち学校は、ヤングケアラーの教育の機会にかかわる状況を確認することなどを求められています。
さらに、条例にあわせて支援のための具体的なガイドラインも作成し、▼ヤングケアラーの実態把握の方法のほか、▼個人情報の取り扱いや情報共有のあり方などを明記しました。
市によりますと、条例案は来年2月の市議会に提出される予定で、制定されれば、ヤングケアラーに特化した支援条例としては道内初になるということです。
苫小牧市こども相談課の齋藤健巳課長は、「ヤングケアラーはなかなか表面化しづらく孤立しやすい。市民全体で気付き、見守り、1人にしないということをやっていきたい」と話していました。