知床国立公園でヒグマとの接近基準を明確化

環境省は知床国立公園の管理計画を改定し、人とヒグマとの距離について「少なくとも50メートル以上保つよう指導する」などとした具体的な基準を定めました。

知床では観光客がヒグマに近づきすぎる事例があとを絶ちませんが、国立公園内での人と野生動物の著しい接近などを禁止している自然公園法では、具体的な距離までは明記されていませんでした。
こうしたことから環境省釧路自然環境事務所は10月、自然公園法に基づく知床国立公園の管理計画を改定し、人とヒグマとの距離について新たに基準を設けました。
具体的には、人とヒグマが少なくとも50メートル以上の距離を保つよう指導するとしています。
その上で意図的に▽30メートル未満に近づいたり、▽50メートル未満の距離を保っていることを職員が確認した場合は行政指導を行い、従わない場合は自然公園法違反で告発するとしています。
環境省によりますと、自然公園法の人と野生動物の距離について、違反の具体的な基準を定めたのは全国の国立公園で初めてだということです。
環境省ウトロ自然保護官事務所の家入勝次首席国立公園保護管理企画官は「クマを見ることが絶対にダメという話ではなく、ルールを守り、適正な距離をとって見てもらいたい」と話しています。