野付湾で天然記念物コクガンの調査 国内最大級の渡りの中継地

国の天然記念物に指定されている渡り鳥「コクガン」の中継地である道東の野付湾で越冬地などを解明するための調査が行われています。

コクガンのエサとなるアマモが豊富な野付湾は秋に8000羽あまりが飛来する国内最大級の中継地となっています。
研究者や地元の住民らでつくるグループは6年前からコクガンの越冬地などを解明するための調査をこの時期に行っています。
今シーズンの調査は11日から4日間の日程で行われていて、12日は早朝からグループのメンバーが成鳥2羽を捕獲すると翼の大きさなどを計測したあと個体を識別するための足輪を取り付けていました。
GPS端末を使った追跡調査なども行っていて、これまでに東アジアに飛来するコクガンは東シベリアの北極海沿岸で繁殖していることや野付湾を経由した一部が中国で越冬していることが分かっています。
調査グループの代表で山階鳥類研究所の澤祐介さんは「渡り鳥は繁殖、休憩、越冬とどの場所が欠けても渡りを完遂できなくなる。まずはコクガンがどの場所を使っているのか明らかにしてその場所を守っていく働きかけをしていきたい」と話していました。