大千軒岳で大学生死亡 クマ襲撃とみられる現地で専門家が調査

今月、道南の福島町などにまたがる大千軒岳で、クマに襲われたとみられる大学生が死亡し、近くで死んでいるクマが見つかったことを受けて、専門家などが現地調査を行いました。

今月2日、福島町などにまたがる大千軒岳の6合目付近の登山道から外れたやぶの中で大学生が死亡しているのが見つかり、警察は遺体の状況からクマに襲われたとみています。
また、現場近くでは大学生を襲ったとみられるクマが死んでいるのが見つかっています。
これを受けて9日、道立総合研究機構の専門家や警察、ハンターなどおよそ15人が現地を訪れ、沢のそばに残されていた死んだクマの状況を詳しく確認しました。
大千軒岳では、大学生が遺体で見つかる2日前の先月31日に、登山をしていた消防署員2人がクマに襲われてけがをし、その際、ナイフをクマに刺して追い払っていて、9日の調査には消防署員も同行したということです。
調査を行った道の担当者によりますと、クマは体長1メートル25センチの若いオスで、首の深い傷が致命傷になったとみられるということです。
警察などは現場の状況や傷痕の状態から死んでいたクマと大学生や消防署員を襲ったクマは同じ個体で、大学生を襲ったあとに消防署員にも襲いかかった可能性が高いとみています。
道総研などは9日採取したクマの骨や歯を分析するとともに、クマの毛などのDNA鑑定も進め、当時の状況などを詳しく調べることにしています。