子どもたちにもっと本に親しんでほしい 各地の取り組みは

読書の秋を迎えて子どもたちにもっと本を読んでもらおうと各地で様々な取り組みが行われています。

【図書館では読み聞かせの会】
就学前の子ども向けの絵本を中心におよそ2万7800冊をそろえている、札幌市白石区にある「札幌市えほん図書館」では、子どもの年齢別に絵本や紙芝居の読み聞かせを行う「おはなし会」を週に2回、開いています。
7日は1歳から2歳を対象にした「おはなし会」が開かれ、4組の親子が参加しました。
2歳の女の子と参加した石狩市の40代の女性は「子どもが本を読むことが好きなので、絵本が揃っているこの施設に来ました。多くの絵や文章に触れて欲しい」と話していました。
また1歳の男の子と参加した白石区の40代の女性は「スマートフォンの映像などデジタルの情報よりも、紙をめくって絵や活字を見たり読んだりするほうが、頭にしっかり残ると思う。子どもには、本を読む環境をととのえていきたい」と話していました。
札幌市の書店では、子どもたちに本に親しんでもらおうと、道内で活躍するスポーツ選手がおすすめする本を特設コーナーで紹介しています。
【書店では動画も活用】
札幌市にある紀伊國屋書店では、道の教育委員会が制作した道内で活躍するスポーツ選手が子どもたちにおすすめの本を紹介する動画をもとに売り場に特設コーナーを設けています。
幼児が楽しめる絵本から高校生向けの自伝や小説までおよそ30種類の本が並べられていて、紹介したスポーツ選手の顔写真と名前が書かれた色とりどりのポップも添えられています。
「子どもの読書活動応援動画」と題された動画には、道内で活躍するスポーツ選手あわせて20人が登場し、さまざまな本を子どもたちに勧めています。
このうちプロ野球、日本ハムの清宮幸太郎選手は森絵都さんの小説「カラフル」を手に「みなさん、本は読んでいますか。僕はこの本に出会って人としての生き方を学びました。時々思い出して自分を見直しています」と語りかけています。
またバレーボールのヴォレアス北海道の田城貴之選手は、かこさとしさんの絵本「からすのパンやさん」を挙げ「僕が子どもの時に読んでいて、今も自分の娘に読み聞かせています。いろいろなパンが出てきて楽しいです。みなさんも本を読むといっぱい学びがあって、ためになるのでたくさん読んでみてください」と呼びかけています。
紀伊國屋書店によりますと、この特設コーナーを設置してから、売り上げがふだんの3倍から4倍に伸びた本もあるということです。
この特設コーナーは、読書週間の最終日の9日まで設置されていて、掲示されているポスターのQRコードをスマートフォンなどで読み込むと選手の紹介動画を見ることができます。
紀伊國屋書店の小山大樹さんは「読書は子どもにとって大きな力になると思うので、選手がおすすめしてくれた本をきっかけに、いろいろな本に触れてみて欲しいです」と話していました。
動画を企画した道教育委員会によりますと、公開から1か月あまりの7日現在、再生回数はおよそ2万回に上っているということです。
キャンペーンを企画した道教育委員会の社会教育課・森健太郎主査は「全国の調査では北海道の子どもたちが他の県に比べて家で本を読む割合が低く、逆にゲームやインターネットをしている時間が長いということが分かっているので、子どもが身近に感じるあこがれのスポーツ選手が本を紹介することで、この本読んでみようかなと思うきっかけになればと企画しました。今後、この動画を道内の学校でも活用して欲しい」と話していました。