秋の叙勲 道内から192人が受章

ことしの「秋の叙勲」の受章者が発表され、道内からは192人が受章することになりました。

道内で「秋の叙勲」を受章するのは、顕著な功績をあげた人に贈られる旭日章が41人、公共の仕事で功労があった人に贈られる瑞宝章が151人の、あわせて192人です。

このうち、瑞宝中綬章を受章する札幌市中央区の今井浩三さん(75)は、昭和47年から内科医としてがん治療にあたってきました。
また、平成16年から6年間にわたって札幌医科大学の学長として道内の医師の確保や人材の育成など、地域医療に貢献してきました。
学長を退任後、今井さんは東京大学などで、がん治療の研究に携わり、現在、開発が進められている乳がんやすい臓がんの新しいタイプの治療薬の研究にも尽力しました。
今井さんは、「私が医師になった50年ほど前は治療法も少なく亡くなるがん患者さんを多く診てきたので、そうした患者さんたちを治す方法はないかと多くの人から支えられながらやってきました。今後もがん治療の選択肢が広がるよう尽力していきたい」とと話していました。

「旭日大綬章」を受章する鉢呂吉雄さんは、75歳。
農協職員を経て、平成2年の衆議院選挙で初当選し、あわせて7回当選。
参議院議員も1期務めました。
民主党政権では、党の副代表や国会対策委員長を歴任し、野田内閣で経済産業大臣を務めました。
鉢呂さんは「政治活動を32年続けられたのは、自分の力というより、道民の皆さん1人1人に支えていただいた力だと思っている」と述べました。
そして「一番大きな思い出は、政権交代を成し遂げたことだ。行き詰まった自民党政治に対し、国民からの圧倒的な支持があったが、いざ政権運営に立ったとき、必ずしも十分にやっていける形にはなり得なかった」と振り返りました。
その上で、現在の政治状況について「野党は分裂状態にあるが、政策をきちんと鍛え、国民にもう一度期待されるものを掲げて政権を運営できるもう1つの大きな柱を作っていかなければならない」と述べました。