登山中に大千軒岳でクマに襲われた消防署員が証言

登山中に大千軒岳でクマに襲われた消防署員が証言

同じ大千軒岳では遺体が発見された場所の近くで、31日午前、登山中の消防署員の男性3人がクマに襲われ、このうちの2人が軽いけがをしました。3人のうち福島町の福島消防署に勤務する大原巧海さん(41)がNHKの取材に応じました。

大原さんたちは山岳遭難がたびたび発生するルートを確認しようと、31日午前7時半ごろ入山し、その後、クマに遭遇したということです。
クマは斜面の下から現れたということですが、曲がり道で見通しが悪かったため、大原さんたちはクマが近づいてきていることに気づかなかったということです。
はじめに仲間が襲われ、大原さんが山菜採りのために持っていたナイフでクマの目を刺したところ、今度は大原さんに襲いかかってきたということです。
大原さんは尻餅をつきましたが抵抗を続け、ナイフでクマののど元を刺すと、クマはナイフが刺さったまま逃げていったということです。
大原さんたちはその後、自力で下山しましたが、大原さんともう1人の41歳の男性のあわせて2人が足をかまれたり、首などを引っかかれたりして軽いけがをしました。
大原さんは「ことしに入ってクマがよく目撃されていることは知っていた。鈴や笛を頻繁に鳴らしていたが、クマは襲いかかってきた。3人とも無事に下山でき、命があってよかった」と話していました。