同性婚訴訟2審 すべての審理終わる 来年3月判決 札幌高裁

同性どうしの結婚が認められていないのは、憲法に違反するとして道内の同性カップル3組が国に賠償を求めた裁判の2審で、原告側は「同性カップルを制度の外に追いやり、社会にいないものにしないで」と訴え、すべての審理が終わりました。判決は来年3月に言い渡
される予定です。

札幌市などに住む3組の同性カップルが、同性どうしの結婚を認めていない民法などの規定について憲法に違反するとして国に賠償を求めた裁判で、1審の札幌地方裁判所はおととし、「同性愛者が婚姻による法的利益を受けられないのは差別的な取り扱いだ」などとして法の下の平等を定めた憲法に違反するという判断を示しました。
一方で、国が立法を怠ったとは認めず、賠償の訴えを退けたため、原告側がこれを不服として控訴していました。
31日の裁判では、原告の同性カップル2組が意見陳述を行い、このうち札幌市に住む中谷衣里さんと30代の女性は「同性どうしというだけで結婚できず、さまざまな社会保障を受けられない不安を常に抱えてきた。同性カップルを制度の外に追いやり、社会にいないものにするのではなく、平等に結婚が認められるよう判断をお願いしたい」と訴えました。
一方、国は「同性どうしの結婚は憲法で想定されていない」などとして、訴えを退けるよう求めています。
2審は31日ですべての審理を終え、判決は、来年3月14日に言い渡される予定です。