物価高で苦境の子ども食堂の現状は 室蘭

子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」。子どもにとっては大切な空間となっていますが、この場所も、物価高で大きな影響を受けています。室蘭市の子ども食堂を取材しました。

室蘭市にある子ども食堂では、毎週土曜日に無料で昼食を提供し、毎回、小学生を中心に20人から30人が参加しています。
地域の子どもたちが安心して過ごせる場所を目指している食堂。
子どもたちは、大学生のボランティアと思い思いの時間を楽しんでいます。
しかし、今、物価高の影響が直撃しています。
子ども食堂を運営するNPO法人「くるくるネット」の理事長、鳥山晃さん(48)。
食事は1人分、およそ300円の予算でやりくりしていますが、食費は1.5倍ほど上がっているといいます。
できれば20合の米を出したいといいますが、この日、準備できたのは15合。
あっという間になくなりました。
鳥山晃理事長は、
「終了ですね。ごはんは。ちょっと足りないくらいですかね。やはり1食いくらというので全体的な予算を決めているので、その中で年間通じて行えるような形で予算分配しているので、それがちょっと難しいですね」。
子ども食堂に直撃する物価高。
31日、室蘭市役所には、市議会議員に厳しい現状を知ってもらおうと、市内で子ども食堂を運営している6つの団体の代表が集まりました。
子ども食堂の代表は、
「朝ご飯を無料で提供しているため、やはり資金運営は少し課題があるなと感じております」。
「活動資金とスタッフというところは、うちもちょっと悩んでいるところであります」。
市は今年度、物価高への対応として、子ども食堂に最大20万円の臨時の補助金を出しています。
鳥山さんは、行政の支援の強化を訴えました。
「例えば、作る量を抑えてしまったら子どもたちはおなかいっぱい食べられないとか、そういう問題ありますし、なかなか難しいところなんですよね。制度が永続的になるような形にしていただきたい」。
これに対し、出席した議員からは、前向きに対応していく考えが示されました。
出席した市議会議員は、
「補助金助成制度っていうのは、どうしてもやっぱり必要だと/ボランティアあるいは地域の募金だとかそういったものに依存しているだけでは、なかなか永続的な継続的な運営は難しいと思う」。
鳥山理事長は、
「議員さんたちに子ども食堂の現状を知っていただいて、非常に良かったなという形があります。持続可能的に運営できるような形で、食材であったりとか、ものであったりとか、あと広報的な支援がいただけると大変ありがたいなと思います」。