ドングリなどクマの食料が全道的に“不作” 道が注意呼びかけ

ヒグマの食料となるドングリなどがことしは道内全域で不作となっていることがわかり、道はヒグマが食べ物を求めて人の生活圏にまで出てくるおそれが高まっているとして、注意を呼びかけています。

道のヒグマ対策室は、8月から9月にかけて、ヒグマの主な食料となるドングリやヤマブドウなどの生育状況を調べ、「豊作」から「凶作」までの4段階で評価しました。
それによりますと、ことしは▼ミズナラのドングリが道内の広い範囲で最も生育状況が悪い「凶作」で、▼ヤマブドウと▼コクワそれに▼道南から後志にかけて分布するブナのドングリも多くの地域で2番目に悪い「不作」だったということです。
ヒグマは秋の木の実が不作の年には食べ物を求めて広範囲に活動するということです。
道警などによりますと、ヒグマは例年、冬眠明けの春ごろから目撃情報が増えますが、ことしは先月だけで723件と去年の同じ時期の3.5倍にのぼっています。
また、ことしに入って5人が被害に遭い、このうち1人が死亡しています。
道ヒグマ対策室の武田忠義主幹は、「ことしはすでにヒグマの目撃情報が数多く寄せられており、例年と比べても特に多くなっている。生息数が増え、市街地周辺に住んで人を警戒しないヒグマが増えていることもあり、今後はさらに人身事故が起きる可能性が高くなるので注意してほしい」と話していて、▽生ゴミは放置せず、▽足跡やフンがないか確認するなど、十分に気をつけるよう呼びかけています。