コオロギは脅威を感じると“一時停止する” 北大の研究

コオロギは動いているときに敵など何らかの脅威を感じると、逃げ出す前に一時停止することが北海道大学の研究チームによって明らかになりました。

研究を行ったのは、北海道大学大学院の小川宏人教授らの研究チームです。
敵など何らかの脅威が迫ったときにコオロギはどう反応するのか。
実験装置にコオロギを入れ、敵を風と見立てて吹き付け、行動を観察しました。
止まっている時に風を受けると、コオロギは0.1秒以内に走ったり跳ねたりして逃げました。
しかし、歩いている時に風を受けると、逃げる前に一時停止しました。
研究チームは、コオロギは動くものを追う敵に見つからないようあえて停止し、その分、敏感になることで、逃げ出すまでの遅れをカバーしようとしているのではないかと指摘しています。
北海道大学大学院の小川宏人教授は、「弱い風の刺激の時にはコオロギはほとんど逃げない。ところが運動中に刺激すると一時停止はすごく弱い刺激でもする。だから彼らは感じていないわけではない。なのにいったんは一時停止する戦略をあえてとっている。それはすごい面白い結果だと思う。どういう風に一時停止と逃げるという判断を切り分けているのか、細胞レベル、回路レベルの研究につなげていきたい」と話しています。