秋サケささげて豊漁祈る アイヌの伝統儀式 池田町

サケが川をさかのぼるこの時期に最初にとれたサケを神にささげ、豊漁を祈るアイヌ民族の伝統儀式が十勝の池田町で行われました。

「アシ※リチェ※プノミ」と呼ばれるアイヌ民族の伝統儀式は、14日、池田町の十勝川沿いにある千代田堰堤公園で行われ、地元のアイヌの団体などからおよそ20人が参加しました。
会場に設けられた祭壇には儀式のために十勝川で特別に捕獲されたサケが供えられ、民族衣装を着た参加者たちが神に祈りをささげました。
このあとアイヌ語の歌に合わせた伝統舞踊が披露されると、一般の観客も輪に加わるなど、参加者と観客が一緒になって盛り上がっていました。
また、会場では「チェ※プオハウ」と呼ばれるアイヌ料理のサケの煮込み汁がふるまわれ、訪れた人たちは秋の味覚を堪能していました。
帯広市から訪れた71歳の女性は「初めて食べましたがとてもおいしいです。サケの命をいただいていると実感します」と話していました。
アイヌ文化の継承に取り組む帯広カムイトウウポポ保存会の酒井奈々子会長は「サケがたくさんとれて無事に漁が終わりますようにと願いを込めて、火の神様・アペフチカムイにお祈りしました。このような文化があることを多くの人に知ってもらいたいです」と話していました。
※の「リ」「プ」は小文字。