「惨事ストレスを防げ」 災害時の心のケア釧路の消防職員学ぶ

大規模な災害の際、大きなストレスを受けやすい消防職員を対象に釧路市で「心のケア」について学ぶ研修が行われました。

釧路市消防本部が開いた研修には消防職員およそ100人が参加し東日本大震災の際、臨床心理士として現地に派遣された兵庫県こころのケアセンターの大澤智子上席研究主幹が講演しました。
大澤さんは災害時に遺体に接することなどで「惨事ストレス」が生じやすく、いらだちや不安、精神障害を引き起こすことがあると説明しました。
そのうえで、同僚や部下をよく観察し、元気がなく口数が少ないとか、遅刻や早退が増えたといった普段と違う様子を見つけたら、声をかけるよう呼びかけました。
釧路市では千島海溝沿いの巨大地震で大規模な被害が予想されていて、消防職員は、災害時に大きなストレスを受けるリスクが高いとされています。
研修を受けた50代の消防職員は「私たちが常にさらされている惨事ストレスに対し、災害のあとは仲間みんなでケアしていく必要があるとわかった」と話していました。
大澤智子上席研究主幹は「惨事ストレスはどんな人にも生じるが、周りの仲間や家族の支えで回復する場合が多い。組織は惨事ストレスを受けた職員をどう守っていくかを常に考え、災害への計画を練ってほしい」と話していました。