バイオガスから飼料の添加物「ギ酸」 興部町で本格製造へ

牛のふん尿を利用したバイオガス発電に取り組んでいるオホーツク海側の興部町は、大阪大学などと連携し、バイオガスから牛のえさの腐敗防止に使われる「ギ酸」などを生産する事業を本格的に始めました。

酪農が盛んな興部町ではバイオガスプラントを建設し、2016年から、牛のふん尿から生産したバイオガスを活用して発電事業を行っています。
こうした中、町は新たに大阪大学や建設会社、それに化学品メーカーと共同事業体をつくり、バイオガスから「ギ酸」と「メタノール」を大量生産する事業を本格的に始めました。
事業計画では、バイオガスプラントの隣に新たに装置を導入したうえで、今年度と来年度は装置の生産能力の検証を行い、2025年度には10トンの「ギ酸」と2トンの「メタノール」を生産するとしています。
▽「ギ酸」は牛のえさの腐敗防止に使われ、▽「メタノール」は化学製品の原料や燃料電池の燃料として活用できますが、いずれもほぼすべてを輸入に頼っています。
牛のふん尿から「ギ酸」や「メタノール」を大量生産できれば、安定供給が見込めるほか、二酸化炭素の排出削減にもつながると期待されています。
興部町まちづくり推進課の長嶺毅課長は「これからの酪農は脱炭素や地球温暖化の防止に取り組む必要があるので、先駆けとして興部町が脱炭素に貢献できれば」と話していました。