【滞在記】今が旬!サケの聖地・標津町の底力

地域にディープな人脈をもつローカルフレンズのもとに、ディレクターが1か月間滞在する「ローカルフレンズ滞在記」。10月は根室海峡沿岸で鮭の聖地をめぐります。

この地でローカルガイドをする齋藤智美さんがローカルフレンズです。
旧姓の「根本」をもじって、ネモさんと呼ばれています。
ネモさんは結婚を機に、埼玉県から標津町に移住してきました。
移り住んでから根室海峡のサケに魅了され、このエリアでガイドをしています。
まずは、ネモさんが暮らす標津町へ。
秋はサケの季節。
滞在1週目の早朝、ネモさんが親しいという鈴木信幸さんの船に同行させてもらうことに。
目の前では800匹ものサケが水揚げされていきます。
鈴木さんの漁船では、例年の9割以上とれているそう。
町では、様々なサケ料理が食べられています。
サケ節醤油やサケのだしや身が入ったミルク鍋が食卓を彩り、イベントではサケのコロッケが売っていて、漁師の自宅では町でもポピュラーなサケの心臓を振る舞ってもらいました。
サケ取材に明け暮れるディレクターを、ネモさんが飲みに誘ってくれました。
お店に入ると素敵な音楽がかかっています。
DJをしていたのは、なんと漁船に乗せてくれた鈴木さん。
そして他のDJたちも、水産加工工場で働く方や栄養士などみんなばらばらの職業。
もともと趣味でDJをしていた鈴木さんたち3人が「どうせやるならとことんまで」と思っていたところ、精肉店の店主がこのミュージックバーを開いてくれたのです。
今では、総勢6人からなる異業種DJ集団として活躍。
さらには苦戦する仲間の漁師を盛り上げようと、北寄貝やホタテを使った飯寿司を作るようにもなったとのこと。
サケとは直接関係のない漁をも支えているのです。
続いてネモさんの知り合いの酪農家・安達永補さんを取材することに。
最近、牧草を育てる肥料が高騰し、困っているそう。
そこで救世主となったのは、やっぱりサケ。
サケ節を加工する時に出る廃液をたい肥にまぜることで、牧草の育ちを良くしようという、新たな挑戦が始まりました。
サケが町を支え、人と人を結びつける。
サケの聖地の底力を感じた、滞在1週目でした。