当別町の女性 “赤ちゃんポスト”の運営 取りやめへ

親が育てられない子どもをいつでも匿名で預かる、いわゆる「赤ちゃんポスト」をめぐり、去年5月に設置を公表した当別町の女性は、医療の提供体制などが不十分で24時間いつでも受け入れることは難しいとして、運営をとりやめることになりました。

当別町の公認心理師の女性は去年5月に「赤ちゃんポスト」を設置したと公表し、匿名でも乳児や幼児を預かって保護するとしてきました。
これについて道と当別町は設置当初から必要な医療を提供する体制が備わっていないとして、運用を控えるよう繰り返し求めてきました。
道などが女性と協議を続けた結果、医療の提供体制などが不十分なことを認め、赤ちゃんを24時間いつでも受け入れることは難しいとして運営をとりやめることになりました。
今後は対面での相談を原則とし、必要に応じて、一時的に赤ちゃんを保護するなどの対応を行うことにしています。
女性による受け入れをめぐってはことし2月、東京都の当時、生後4か月で先天性の病気がある乳児を両親から預かったものの、その後、病院に入院したことで親権のない女性の元には戻れず、両親も引き取りを拒否したことから退院できないケースが生じていました。
【運用取りやめについて 鈴木知事「安どしている」】
当別町の女性が「赤ちゃんポスト」の運用を取りやめることについて鈴木知事は6日の定例会見で、「きょう、運営者から子どもの受け入れ施設を廃止し、今後は子育てや予期せぬ妊娠に悩む人への相談については継続していく意向だと連絡を受けた。道では医療設備がなく安全が確保されていない状況があるとして、何度も自粛要請という形でお願いしてきたので、受け入れていただいたと認識しており、安どしている」と述べました。
そのうえで、「悩みを抱えている妊婦の方などを孤立させることなく寄り添っていかなければならない」として、保健所などでの相談や支援に引き続き力を入れる考えを示しました。