札幌駅前バスターミナル30日閉鎖 バス停は南口周辺に分散へ

北海道新幹線の札幌延伸にあわせた再開発により、JR札幌駅前のバスターミナルがあす30日で閉鎖されます。10月1日からはバス停が南口周辺に分散して設置されることから、市は利用客への周知を進めています。

JR札幌駅周辺の再開発では8月末に駅前の商業施設「エスタ」が閉店し、1階に入っているバスターミナルは30日で閉鎖されます。
これを受けて10月1日からは、バス停が駅の南口周辺の18か所に分散して設置されます。
新しいバスターミナルが整備されるのは2028年度の予定で、およそ5年間バスの利用ルートなどが変更されることから、市は駅に設置した看板やホームページで周知を進めています。
札幌市の80代の男性は「駅から遠くなるのでバスの利用を控えると思う。自分のような年寄りには不便になる」と話していました。
また、19歳の男子大学生は「帰省のときにしかバスを利用しないですが、よく使う人にとっては大変ですね」と話していました。
札幌市交通プロジェクト担当課長の江澤幸介さんは「駅周辺に案内マップを設置しているのでまずはマップを見て確認してほしい。バス停ではバスターミナルと異なり、屋外で待つ時間も長くなるので近くの地下歩行空間なども活用してほしい」と話していました。

【バス停は18か所に】
バスターミナルの閉鎖で、新しく設置されるバス停は駅の南口周辺の18か所に分散して配置されます。
乗り場が変更になるのは、
▽主に札幌市内や近郊を結ぶ路線バスなどを運行している「ジェイ・アール北海道バス」。
▽真駒内や定山渓温泉などを結ぶ「じょうてつバス」。
▽登別温泉や浦河などを結ぶ「道南バス」。
▽羽幌や留萌などを結ぶ「沿岸バス」。
▽旭川や釧路、函館など道内各地を結ぶ都市間高速バスです。
また、切符などを販売する窓口も3か所に分かれます。

【不便さ解消に向けて】
バス停が分散して設けられることで、利用客にとってはこれまでよりも不便になります。
いまのバスターミナルから最も遠いバス停までは600メートルあまり、まっすぐ向かっても徒歩で10分ほどかかります。
札幌の地理に不慣れな観光客や外国人などは迷ってしまうケースも想定されます。
市は札幌駅前や地下歩行空間の出入り口などあわせて12か所にバスの案内図を設置することにしています。
さらに、案内図に記載された行き先別のQRコードを読み取ると「グーグルマップ」を表示し、向かいたいバス停までのルートを案内してくれるということです。
一方、バス停では雨や雪をしのぐスペースも限られます。
ダイヤが乱れたときなどは混乱が大きくなる可能性があります。
市はバスを待つときには札幌駅前地下歩行空間=チカホなどを活用するよう呼びかけています。