北海道医療大学が当別町に移転方針説明 町長“協議の場を”

北海道医療大学が、プロ野球・日本ハムの新球場がある「Fビレッジ」に移転する方針を決めたことについて、28日、大学関係者がキャンパスのある当別町を訪れ、移転について説明しました。これに対して当別町の後藤町長は「移転までの5年間で互いの課題を解決するための協議の場を設けてほしい」と要望しました。

北海道医療大学を運営する学校法人は27日に開いた理事会で、日本ハムの新球場がある北広島市の「Fビレッジ」に新たなキャンパスを設置し、学部を移転する方針を決めました。
28日は、大学を運営する学校法人の鈴木英二理事長など大学関係者が当別町役場を訪れ、後藤正洋町長らに移転の方針を説明しました。
この中で大学側は、北広島市のキャンパスは5年後の2028年4月の開設を目指していることや、移転する学部などについては今後検討していくことを報告し、地域との連携などついて引き続き町と協議していきたいと説明しました。
これに対し後藤町長は、移転により町の経済損失は大きいとして、「これまで50年近く築き上げた信頼関係を損なわないためにも、移転までの5年間で互いの課題を解決するための協議の場を設けてほしい」と要望しました。

大学側からの説明のあと当別町の後藤町長は「おととい移転を断念してほしいと要望したが、それに至らなかったのは残念だがしかたがない。町も少子化の課題を抱えているため、大学の抱える学生確保の課題については十分に理解したい」と述べました。
その上で、「決して希望をなくしたわけではない。町としても大学側と危機感を共有して、新たなまち作りに取り組んでいきたい」と述べました。
一方、北海道医療大学を運営する学校法人「東日本学園」の鈴木理事長は町への説明のあと、「1年ほど前に人と人とのつながりの中で、偶然が重なり移転の流れが起きた。すべての学部、すべての医療機関の北広島市への移転が基本方針であることは変わりないが、患者さんの対応についても検討していきたい」と述べました。