オホーツクのカラフトマス不漁 来年放流の稚魚確保にも影響大

オホーツク地方のカラフトマス漁は今シーズン、過去最低だった去年をさらに下回る深刻な不漁になっていて、来年放流する稚魚の確保にも大きな影響が出ています。

オホーツク総合振興局によりますと、オホーツク地方のカラフトマスの漁獲量は9月10日現在でおよそ60トンと、過去最低だった去年の同じ時期の3割弱にとどまる深刻な不漁になっています。
管内のふ化場では来年春に放流する稚魚を育てるため、採卵作業を行っていますが、川をさかのぼるカラフトマスも大幅に減ったため難航していて、「北見管内さけ・ます増殖事業協会」によりますと、確保できる卵は当初予定していた量の2割程度のおよそ2000万粒になる見込みだということです。
オホーツク地方のカラフトマスはこれまで豊漁と不漁を1年ごとに繰り返す傾向にありましたが、2年続けての深刻な不漁で今後の資源量の回復が懸念されています。
北見管内さけ・ます増殖事業協会の増川則雄常務理事は「カラフトマスは必ず生まれた川に帰るわけではなく、環境に適応するため、高い海水温の影響などで北上した可能性がある。親の魚が帰って来ない状況では手の打ちようがない」と話しています。