中国の輸入全面停止 水産物が原材料の食品にも影響

福島第一原発にたまる処理水の放出が始まってから24日で1か月となるなか、日本の水産物の最大の輸出先となっている中国が輸入を全面的に停止した影響は水産物そのものにとどまらず、原材料に水産物が使われている食品の輸出にまで及んでいます。

道の聞き取り調査によりますと、中国による日本の水産物の全面的な輸入停止の影響で、冷凍のホタテの在庫が増えて保管コストがかさんでいるほか、中国以外への輸出を模索したところ欧米の業者から値下げの要求があったということです。
中国による輸入停止の影響は、水産物そのものにとどまりません。
札幌市西区の食品メーカーは、鍋用のつゆと、だしなどを中国に輸出していましたが、8月25日に貿易業者から、原材料に国産のかつお節やかきのエキスを使用した食品は輸出できないと伝えられました。
さらに、原材料に水産物を使っていないジンギスカンのたれなども注文が止まっているということです。
この会社では5年前に中国への輸出を始めて以降、徐々に規模を拡大し、昨年度はおよそ3000万円の売り上げあったということです。
ベル食品の福山浩司社長は「水産物がエキスとして入っている商品まで輸出できなくなり大変驚いている。輸入停止の問題が早く落ち着いて元通りになってほしい」と話しています。