世界アルツハイマーデー 札幌で認知症のシンポジウム開催

21日は、世界アルツハイマーデーです。札幌市では、認知症への理解を深めてもらおうと市民などが参加するシンポジウムが開かれました。

このシンポジウムは、認知症の当事者やその家族でつくる団体「札幌認知症の人と家族の会」が開き、170人あまりが参加しました。
このなかでは、認知症の人を診察している栄町ファミリークリニックの中川貴史院長が講演して、「認知症になったとしても、地域で今までのように生活できる。そのためにはご自身や家族が望むことについて、医師や行政の担当者など周囲の信頼できる人に相談してほしい」と話しました。
このあと、6年前に認知症と診断された札幌市に住む佐藤徹郎さんが登壇して、町内会などの社会活動を精力的に行っていることを紹介しました。
そして、佐藤さんは「認知症の人が生きがいを持つためには、人との関係の中にいるのが必要で、人間関係の中で苦労することが幸せにつながると思う」と語りました。
会場に訪れた80代の女性は「認知症になることは怖いことではなく、なった時にどうするか、考えたいと思いました」と話しました。
厚生労働省の推計によりますと、道内では団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者になる2025年に、高齢者の5人に1人、33万4000人が認知症になると予測されています。
国はことし6月、認知症について国や自治体の取り組みを定めた認知症基本法を成立させて、地域の見守り体制や医療体制の整備を促しています。