この冬の予報 “暖冬傾向で雪は平年並み” 札幌管区気象台

札幌管区気象台が発表したこの冬の予報によりますと、道内は、気温が平年並みか高い見込みで、暖冬傾向になると予想されています。

札幌管区気象台が19日発表した、「3か月予報」によりますと、来月からの3か月間は、道内は暖かい空気に覆われ、気温が平年よりも高い日が多くなると予想されています。
また、12月から来年2月にかけての「寒候期予報」によりますと、道内は冬型の気圧配置が弱く寒気の影響を受けにくいため、気温が平年並みか高い見込みで、暖冬傾向になると予想されています。
日本海側の降雪量は、ほぼ平年並みの予想で、湿った重たい雪が降りやすい見込みだということです。
札幌管区気象台の今井達也予報官は、「エルニーニョ現象や、偏西風が蛇行する影響などで、平年並みの雪の降り方になると予想している。ただ、低気圧などの影響で場所によって大雪となる可能性も考えられるため、最新の気象情報を確認してほしい」と話しています。
【次の冬シーズンに向けてまちの人は】
この夏、厳しい暑さが続いた札幌市で、次の冬シーズンに向けた思いを聞きました。
北区の70代の女性は、「この夏は、北海道らしくない暑さで、温暖化も進んでいるので心配でした。年齢もあり、雪かきができず大変なので、豪雪にならないでほしい」と話していました。
清田区に住む80代の男性は、これからの気候について、「ジメジメした天気は嫌なので、晴れた日が多くあってほしいです。冬といえば、去年2月の大雪で自宅の物置きが潰れて大変だったので、ことしは雪が少ない冬になってほしいです」と話していました。
なかには、夏の暑さが厳しいと、次の冬の天候に影響が出るのではないかという声も聞かれました。
豊平区に住む80代の男性は、「この夏は初めて経験する暑さで、クーラーがないので大変でした。これまでは夏が暑いと次の冬は寒くなると感じていたので、この冬は雪が多く降ると予想しています」と話していました。
千歳市に住む20代の男性も、「夏の暑さに対する反動で冬は寒くなると聞いたことがあるので、それほど寒くならなければと思う」と話していました。
札幌市の60代の女性は、「以前、祖母などから夏が暑いと雪が多いと聞いてきたので、去年2月のような大雪にはならないでほしい」と話していました。
また、60代女性と一緒に歩いていた大阪に住んでいる娘は、「冬は北海道で子どもに雪遊びをさせてあげたいので、雪はほどほどに降ってほしいと思います」と話していました。
【札幌管区気象台の予報官は】
夏の暑さが厳しいと、次の冬に大雪が降るなど影響が出るのではないかという声が街の人から聞かれたことについて、札幌管区気象台の今井達也予報官に聞きました。
今井予報官は、「そういう話をする人は多く、私も小さいころ、そう思っていた。実際に、暑かった夏の次の冬シーズンに大雪となったこともある」と話していました。
ことしの夏は厳しい暑さとなりましたが、今井予報官は、エルニーニョ現象の影響で、次のシーズンは平年並みの雪の量が降ると予想しています。
「エルニーニョ現象」は、南米・ペルー沖の東太平洋の赤道付近で、海面水温が平年より高くなる現象で、これが起きると日本では暖冬傾向になることが知られています。
今井予報官は、「この冬は平年並みの降雪量で、気温は高めで経過すると、思っていただければと思う。ただ、一時的に寒気の影響や風向き次第では、大雪になるかもしれないので、日々の気象情報に注意してください」と話していました。