新型コロナワクチン接種多いと全身症状出にくい 北大など分析

札幌市内で新型コロナウイルスに感染したおよそ15万8000人のデータを分析したところ、ワクチンの接種回数が多い人は、鼻水やせきなどの上気道症状が出やすく、発熱やけん怠感など全身症状は出にくいことが北海道大学などの研究チームの分析でわかりました。

北海道大学大学院医学研究院の中久保祥助教などの研究チームは、去年9月末までのおよそ半年間に新型コロナに感染して札幌市のデータに登録された15万7861人の感染時の12の症状の有無やワクチンの接種回数などを分析しました。
その結果、ワクチンを3回以上接種した人は2回以下の人と比べて、▼鼻水の症状が1.8倍、▼せきが1.5倍、▼のどの痛みが1.3倍と上気道の症状が起きやすいことが分かりました。
一方、2回以下の人は3回以上の人と比べて▼食欲不振が2.5倍、▼38度以上の発熱が2倍、▼けん怠感が1.7倍と全身症状が起きやすいことも分かりました。
研究チームは、接種回数が多い人ほど免疫機能が高まるため、ウイルスが全身に広がりにくくなっているからではないかと指摘しています。
分析を行った中久保助教は、「コロナに感染後、症状の出方によってどのような経過をたどるのか、分析によって初めて明らかになった。知識として正しく理解し、療養中のケアに役立ててほしい」としています。