登別 擁壁崩落 “厚さ不足の可能性”指摘受け 道が現地確認

登別市の住宅地で擁壁が崩れたことをめぐり、住民が擁壁の厚さが不足していた可能性を指摘していることを受けて、道の担当者が現地の状況を確認しました。

登別市美園町の住宅地では、ことし6月、擁壁がおよそ25メートルにわたって崩れ、一時、21世帯に避難指示が出されました。
これをめぐり、住宅に被害を受けた住民が情報公開請求をして市内の会社が建設の許可を得る際に道に提出した図面などを調べた結果、「実際の擁壁の厚さが申請よりも薄いのではないか」と指摘しています。
これを受けて、13日、道の胆振総合振興局の担当者が現地の状況を確認したところ、当時の図面の数値と違いがあることがわかりました。
ただ、擁壁が設置されたのは43年前であることなどから「原因はわからない」と述べ、擁壁が完成したときに道が行った検査については、「適切に実施したと考えている」と説明しました。
現地を訪れた胆振総合振興局建設行政室の後藤洋一課長は、「法律の手続きに沿って、検査済証を交付しているので、当時の検査が誤りだとはできない。現状では、できることはないと思う」と話していました。
一方で、情報公開請求をした住民は、「どうすればいいか何もわからない。行政には、何らかの対応を考えてほしい」と話していました。