ツール・ド・北海道 事故で全日程中止に 大会開始以来初

8日昼ごろ、国内最大規模の自転車レース「ツール・ド・北海道」に出場していた21歳の男子学生が上富良野町の道道で乗用車と正面衝突し、意識不明の状態で病院に搬送されました。この事故を受けて、10日まで予定されていたレースは全日程が中止になりました。

8日正午前、上富良野町の道道291号吹上上富良野線を自転車で走っていた21歳の男子学生が対向車線の乗用車と正面衝突しました。
警察によりますと、男子学生は東京の中央大学の4年生で、意識不明の状態で病院に搬送されたということです。
また、乗用車を運転していた63歳の男性は手に軽いけがをしたということです。
男子学生は8日から始まった国内最大規模の自転車レース「ツール・ド・北海道」に出場していて、事故が起きた現場は片側1車線の道路でした。
警察の調べによりますと、男子学生は前を走っていた集団を追い抜こうと対向車線に出た際、そこを走ってきた乗用車と衝突したということで、警察は乗用車を運転していた男性から話を聞くなどして当時の状況を詳しく調べています。
【事故を受けて全日程中止に 大会開始以来初】
事故を受け、主催者の「ツール・ド・北海道協会」は10日までの全日程の中止を決めました。
レース中の事故で全日程が中止となるのは1987年の大会開始以来、初めてだということです。
【ツール・ド・北海道とは】
「ツール・ド・北海道」は、国際自転車競技連合が公認する自転車レースで、毎年この時期に開催されている国内最大規模の大会です。
大会のホームページによりますとことしは37回目の開催で、旭川市や帯広市など道北や道東エリアを中心に道内の21の市と町、あわせて532キロメートルの距離を3日間で走破する日程で実施を予定していました。
大会には、国内外からあわせて20チーム、100人が出場を予定しており、8日は、選手たちが旭川市の特設会場を出発し、1日目のゴールとなる新得町までのおよそ170キロメートルを走り抜ける予定でした。
また、主催する公益財団法人ツール・ド・北海道協会の関係者によりますと、大会のコースでは、参加する選手たちを後ろから車が追い抜くことは禁止されていますが、見通しが良く広い道路などでは、対向車線を車が走行できる場所もあるということです。