アスベスト給付金減額で男性が国を提訴

建設現場などで吸い込んだアスベストで肺がんになったとして釧路市の元内装工の男性が、国から受けた給付金の額について被害を受けた期間を実際より短く認定され減額されたとして未払いの給付金103万円余りの支給を求めて国を提訴しました。

提訴したのは、釧路市に住む元内装工の77歳の男性です。
訴えによりますと、男性は昭和41年から平成3年ごろまで釧路市などで内装工として働いていましたが、20年後に肺がんと診断されました。男性は作業中に吸い込んだアスベストが原因だとして、国がおととし設けたアスベスト被害者の救済に関する給付金を申請しました。
しかし国は、被害を受けた期間を男性の当初の見込みよりも短く認定したため、本来給付されるはずの額よりも少ない931万円余りを支給したということです。
このため男性は本来受給できる給付金との差額、103万円余りの支払いを求めて、ことし7月、釧路地方裁判所に提訴しました。4日から始まった裁判の口頭弁論で、国側は認否を留保したということです。
原告側弁護団の桑島良彰弁護士は「国もせっかく法律まで作ったのだから、早期の解決をはかるためにも訴訟よりも和解を進めてほしい」と話していました。