観光船沈没事故 捜索協力で漁業関係者などに国から感謝状

知床半島沖で観光船が沈没した事故で行方不明者の捜索に協力した斜里町の漁業関係者などに国から感謝状が贈られました。

去年4月、知床半島の沖合で観光船が沈没し20人が死亡、6人が行方不明となった事故では、大勢の地元の漁業者やボランティアが行方不明者の捜索に協力しました。
4日は斜里町、羅臼町、それに標津町の漁業者でつくるそれぞれの救難所とボランティア捜索隊、それに斜里町の馬場隆前町長に対して国土交通大臣からの感謝状が贈られました。
このうち斜里第一漁協の組合長で斜里救難所の所長を務める馬場浩一さんは、当時を振り返り「救助の知らせを聞いたとき、4月の知床の海が厳しいことを知っているので何とか助かって欲しいと思っていました。救難所は助け合いの組織。観光船の事故のあとも訓練を行っています」と話していました。
また当時、救難所の現場の責任者を務めていた米沢達三さんは、事故の当日、海が荒れていたため捜索活動が翌日からになったことに触れ、「すぐにでも助けに出なければという気持ちがあったが、状況が悪くなるばかりで出られなかった。26人が海中に投げ出されたことを考えるといたたまれない気持ちでした」と語りました。
その上で、「今でも船に乗っていると無意識に海面を探しています」と話していました。