十勝川水系の治水と自然環境回復の両立を目指す会合

水害への備えを強化しながら、魚や鳥などの生物の生態系や自然環境の回復にもつながる新たな治水対策について議論する会合が開かれ、専門家からは「流域にある企業などと連携して自然環境の回復を目指していくことが重要だ」などといった意見が出されました。

この会合は、台風や大雨による水害が相次ぎ今後、十勝川水系の河川整備が大規模に進められる中で自然環境に配慮した治水対策を進めようと帯広開発建設部がことしから始め、3回目となる31日は土木や生物の専門家など11人が参加しました。
きょうの会合では、オブザーバーを務める公益財団法人、リバーフロント研究所の中村圭吾主席研究員が、「世界では企業が生物多様性に貢献することが義務化される動きが加速していて、流域にある企業などと連携して自然環境の回復を目指していくことが重要だ」と指摘しました。
そのためには企業側にもメリットがあることなど適切に情報提供することが重要だとして、すでに先進的な取り組みが進んでいる国内の事例を紹介しました。
委員長を務める北海道大学大学院の中村太士教授は、「経済界を巻き込んで官民連携で進めていくというのは興味深い話だった。流域全体で新たな治水対策をどう進めていくかより具体的に議論していきたい」と話していました。