小樽大学生嘱託殺人事件 54歳被告 初公判で起訴内容認める

去年10月、札幌市内のアパートで女子大学生が殺害され遺体で見つかった事件で、嘱託殺人などの罪に問われている54歳の被告の裁判が札幌地方裁判所で始まり、被告は起訴された内容を認めました。

小野勇被告(54)は去年10月、自宅のアパートで小樽市内に住む当時22歳の女子大学生を、本人に頼まれて首を絞めて殺害した上、遺体を刃物で傷つけたとして嘱託殺人や死体損壊などの罪に問われています。
31日、札幌地裁で初公判が開かれ、小野被告は起訴された内容を認めました。
検察は冒頭陳述で「被告は被害者に、殺害されることを本当に望んでいるか確認した。当日、被害者が睡眠薬を飲んでも深く眠らなかったため首を絞めて殺害した」などと指摘しました。
一方、弁護側は起訴された事実については争わないとした上で、「被告は離婚などを経験し、体調を崩して仕事をできない状態だった。犯行当時は心神耗弱の状態にあり、執行猶予が妥当と考える」などと主張しました。
このあと被告人質問が行われ、小野被告は女子大生と知り合ったきっかけについて、「うつ病と診断され、同じ病気の人や自殺願望を持つ人をSNSで探していたところ被害者が『殺してほしい』などと投稿しているのを見つけ、「いいね」を押した。すぐではないが『「いいね」ありがとう』とメッセージが来た」と説明しました。
その上で、「許されることではないが、彼女の思いが強かった。正当化するつもりはないが、できることなら殺したくなかった」などと話しました。