「エスタ」45年の歩み

エスタの歩みをまとめました。

【エスタ開業】
JR札幌駅前の商業施設「エスタ」は、45年前の1978年9月1日に“札幌初の駅ビル”として開業しました。
主要テナントには道内初進出のデパート「そごう」が入り、開業前から注目を集めました。
開店初日には未明からおよそ8万人が行列を作り、あまりの人の多さに半数のおよそ4万人しか入店できなかったということです。
「エスタ」という名称は一般から募集した名前で、およそ3000件の応募の中から、スペイン語で「駅」という意味の「エスタシオン」に由来する「エスタ」が選ばれました。
開業当初のフロア構成は、▽地下1階と地下2階が食品売り場、▽地上1階部分にバスターミナル、▽地上1階から9階が「そごう」、そして▽地上10階に飲食店が入り、▽屋上のミニ遊園地は家族連れで賑わいました。
【地下鉄東豊線開業】
10年後の1988年12月、「エスタ」に直結する市営地下鉄東豊線が開業します。
JRの乗り場から地下鉄の乗り場への通り道となったことで、エスタはいっそう市民の生活に定着していきました。
【そごう経営破たん】
しかし、開業から22年後の2000年7月、大きな“危機”が訪れます。
「そごう」は、グループ全体で1兆8000億円を超える負債を抱えて民事再生法の適用を申請。
経営が破たんした「そごう」は、採算の見通しが立たないとして札幌の店舗を閉店することを決め市民に衝撃が走りました。
22年間にわたって市民に親しまれた店舗は、その年の暮れ、惜しまれつつも閉店しました。
【ビックカメラ道内初進出】
エスタのほとんどのフロアで営業していた「そごう」が閉店したことで、エスタはいわば“もぬけの殻”となってしまいました。
再起を図るため、2001年7月に、大手家電量販店「ビックカメラ」が地上1階から6階に開業しました。
道内初進出ということで大勢の人でにぎわいました。
そして、地上7階と8階には、ファッションや雑貨など複数のテナントを呼び込み、エスタは新たな一歩を踏み出しました。
【プリクラブームで若者の定番スポットに】
2002年、地上9階にゲームセンターが開業します。
当時は全国的に「プリクラ」ブームのまっただ中で、このゲームセンターに設置された「プリクラ」の台数は当時、札幌最大級とも言われ、中学生や高校生たちの放課後や休日の定番スポットとして定着していきました。
【JRタワー開業】
このころJR札幌駅前の開発が急速に進みます。
2003年、エスタと隣接する形でJRタワーが開業。
大手デパートの「大丸」も入り、札幌駅前が一大商業地へと発展していきます。
【らーめん共和国開業】
2004年には、道内の話題のラーメン店を集めた「らーめん共和国」が地上10階にオープンします。
昭和20年代の札幌の町並みを再現したフロアに札幌だけでなく旭川や函館など道内各地のラーメン店が集まりました。
オープン初日にはおよそ500人が列を作り、その後、わずか4か月で来場者数が100万人を突破し、札幌の食の定番スポットになりました。
【45年の歴史に幕】
長年、市民の生活に定着し親しまれてきたエスタはまもなく閉店し、45年の歴史に幕を下ろします。
エスタの1階部分にあるバスターミナルは来月30日で閉鎖され、仮設のバス停は札幌駅南口周辺に分散して配置されることになっています。
エスタは閉店後に解体され、跡地とその隣接する地区には、基本設計の段階で、商業施設のほかホテルやオフィス、それに新しいバスターミナルが入る道内で最も高い建物が新幹線の駅に直結する形で2028年度の完成を目指し建設される予定で、事業計画の詳細について、調整が進められています。