下水から新型コロナ感染状況を調査 札幌市などが協議会設立

家庭などから出る下水にどれだけ新型コロナウイルスが含まれているのか調査し、感染対策に取り入れている3つの自治体と専門家が、データを共有し、全国の感染状況を把握ていこうと協議会を設立しました。

25日に設立されたのは、「全国下水サーベイランス推進協議会」で、すでに下水調査を行っている札幌市や石川県小松市兵庫県養父市の3つの自治体と専門家が立ち上げました。
家庭などから出る下水には新型コロナのウイルスなどが含まれていて、調査によって下水の新型コロナウイルスの検出率と実際の陽性者数の傾向は概ね一致することが明らかになっています。
国は、新型コロナの「全数把握」が5月に廃止されてから、下水調査を感染流行把握の指標の1つとしていて、全国の自治体は調査の導入を進めています。
協議会は、分析方法を共有しながら下水の調査結果を地域ごとにまとめたり、ホームページで公表したりするほか、参加する自治体を増やしながら、今後、新しい感染症が流行しても活用できるものにしていきたいとしています。
協議会の会長の東京大学の片山浩之教授は、「新型コロナの流行により、下水から有益なデータがいち早く得られることを生かし、今後は新型コロナ以外のウイルスや細菌を下水から検出する方法を確立し、感染症対策に役立てていきたい」と話していました。