釧路市内エゾシカ出没増加 シカ肉の有効活用も

釧路市では市街地に出没するエゾシカが増えており、市は車との接触事故などへの注意を呼びかけています。

釧路市によりますと、令和4年度、市街地でのエゾシカ出没の通報件数は92件と、令和元年度の32件と比べて3倍近く増えています。
また、令和5年度も8月7日の時点で、40件と、令和4年度と同じペースで増えています。
エゾシカの出没は市内の愛国地区と文苑地区、さらに春採湖周辺で多発していて、早朝と夕方を中心に、群れで道路を横断することが確認されています。
市によりますと、車とエゾシカが接触する事故も増えていて、市は車を運転する際はシカの飛び出しに注意し、車間距離をとるとともに、スピードを落とすよう呼びかけています。
一方、釧路市の小学校では、食肉としてのエゾシカの有効活用などについて学ぶ出前授業が行われました。
釧路市の湖畔小学校で8月22日に行われたこの授業は、市や地元企業などでつくる「地産地消くしろネットワーク」が企画し、6年生の児童53人が参加しました。
子どもたちはまず、市の職員からエゾシカによる食害や交通事故について説明を受けました。
そして駆除したシカを有効に活用する方法を学ぶため、地元の阿寒地区で捕獲されたエゾシカの肉を使ったザンギ作りに取りかかりました。
子どもたちは、まず、モモとスネの肉を一口大に切り、調味料と混ぜてもみ込みました。
そのあと、かたくり粉で衣をつけ、中まで火が通るように気をつけながら揚げていました。
完成したザンギを食べた児童は「カリカリ感があって、シカは想像よりうまかったです」とか「少しかたいですが、肉汁が出てとてもおいしいです。100点満点です」と話していました。
釧路市産業推進室の吉田侑太郎さんは「シカがただ害になるのではなく、食材にもなると知ってもらうとともに、子どもたちに今後も釧路の食材を食べてもらえたらうれしい」と話していました。