恵庭の牧場 ”劣悪な環境で働かされた”と障害者3人が提訴

恵庭市の牧場で住み込みで働いていた障害者3人が劣悪な環境で働かされ賃金も支払われなかったなどとして、牧場の経営者家族と市に損害賠償を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは恵庭市の牧場で住み込みで働いていた知的障害のある60代の男性3人で24日、代理人の弁護士を通じて札幌地方裁判所に訴状を提出しました。
訴状などによりますと、男性3人は去年牧場での仕事をやめるまでそれぞれ18年から45年にわたり、▼水道が通っていないプレハブ小屋に住み込み休みなく働かされた上、▼賃金がまったく支払われなかったほか、▼牧場主らに障害年金の口座から少なくともあわせて5100万円余りを無断で引き出されたと主張しています。
また恵庭市も情報提供があったのに問題を放置していたとして、男性3人はこの牧場の経営者家族と市にあわせておよそ9400万円の損害賠償を求めています。
原告側の代理人の中島哲弁護士は「虐待の実態は衝撃で命にも関わる問題だった。放置した市の対応も罪深い」と話していました。
一方、被告のうち恵庭市は「訴状が届いておらずお伝えすることはない」とコメントしています。