連日の厳しい暑さ 乳牛の乳量減少や農作物の生育影響も

連日の厳しい暑さは、道内の一次産業にも影響を及ぼしています。

【十勝では牧場の乳牛の体調に影響】
連日の厳しい暑さで、全国屈指の酪農地帯を抱える十勝地方の牧場では乳牛の体調にも影響が出ていて乳量も減少するなど、酪農家が対応に追われています。

24日の日中の最高気温が33.2度を記録した上士幌町の菅原崇さんの牧場ではおよそ350頭の乳牛を飼育していますが、この暑さによって▽食欲が減ったり、▽体力の低下で乳房炎にかかり死んだりする牛も出ているということです。
このため乳量も通常に比べ2割ほど減っていて、菅原さんは、牛舎に大型の扇風機を置くなど、暑さ対策を行っているといますが、電気代の高騰もあってコストは1割ほど上がり、経営を圧迫しているということです。
菅原さんは「ホルスタインは暑さに慣れていない。例年はこの時期にこんなに暑くなることはないのでそろそろ涼しくなってほしい。来年もこのような暑さが続くのなら新たな暑さ対策をしなければと感じている」と話していました。
【道南では農作物の生育に影響・野菜の廃棄も】
道南地方では、記録的な暑さが続くなか農作物の生育に影響が出ていて、育てた野菜を廃棄せざるを得ない状況も起きています。

道南地方では過去最高気温を更新するなど記録的な暑さが続いていて、このうち函館市では30度以上の真夏日がことしに入って24日を含めて20日となり、1872年の観測開始以降、最多となりました。
こうした中、森町の明井清治さんの畑ではかぼちゃが強い日ざしによって変色したため出荷できず、数十トンが廃棄されることになっています。
明井さんは「例年と比べて出荷量が2、3割も減り、来月には注文に対応できなくなってしまうと思います」と話していました。
さらに、森町では気温の上昇でとうもろこしの成長が例年より早まり、収穫量が増えすぎたことなどから市場価格が下がったため、地元の農協は今月16日、市場への出荷を停止したということです。
このうち黒澤寿光さんの畑ではおよそ6万本のとうもろこしを廃棄せざるを得なくなっています。
黒澤さんは「損失は1000万円近くに上ると思います。農協の判断はしかたありません。来年も猛暑が続くことを想定して、温度の管理をしながらやっていきたいです」と話しています。