危険な暑さに“オンライン授業” 高齢者施設でエアコン活用も

【危険な暑さ避けオンライン授業も】
札幌市南区にある札幌新陽高校では危険な暑さが続いているとして、22日から原則、学校に登校しないよう呼びかけています。
学校によりますと、ふだん授業で使っている教室にはエアコンが設置されていないということで、授業はすべてオンラインに切り替えて実施しています。
また、部活動もとりやめていて、23日、校内では生徒の姿がほとんど見られませんでした。
一方、教室では、時間割りにあわせて担当の先生がそれぞれ授業を行っていて、いつものように黒板を使って説明したりパソコン上に資料を示したりしながら、オンラインで授業の様子を配信していました。
23日の札幌市の最高気温は統計を取り始めてから最も高い36.3度を記録し、先生たちは半袖半ズボンなどの格好で扇風機を使って暑さをしのぎながら授業を進めていました。
国語を担当する男性教諭は「これまでにもオンライン授業は行っていたので、問題なくできている。学校は座っているだけで汗がしたたり落ちるほど暑い環境なので、しっかりと学習するには自宅で授業を受けてもらうことが正解だと思う」と話していました。
学校では先生たちの希望にあわせて在宅での勤務を認めていて、自宅から授業を配信している人もいるということです。
一方、自宅などで涼しい環境を確保することが難しい生徒については、学校への登校を認めていて、エアコンが効いた多目的教室にはおよそ20人の生徒が集まり、オンラインでそれぞれの授業を受けていました。
1年生の女子生徒は「外は暑さで溶けそうですが、エアコンの効いた部屋では頭がすっきりする。ただ、部活動が禁止されていることはさびしい」と話していました。
学校では少なくとも25日までオンラインで授業を行うことにしています。
札幌新陽高校の宮原祐輔教頭は「災害と呼べるほどの暑さであり、無理に登校させると体調を崩す心配があったので、授業をオンラインにした。今後は暑さをしのぐために遮熱カーテンの導入も検討している」と話していました。

【高齢者施設では】
札幌市厚別区にある特別養護老人ホームでは、施設の職員が工夫しながら69歳から101歳までの入所者80人の熱中症対策にあたっています。
この施設では、エアコンが共有スペースにしか設置されていないため、エアコンの温度を通常よりも低い25度に設定し、移動できる入所者には日中は共有スペースで過ごしてもらっています。
また、寝たきりの入所者など個室で過ごす高齢者には、ドアの前に扇風機を置くなどして、施設内の冷えた空気が循環するように対応しています。
高齢者は脱水症状に気づきにくいことから、ふだんよりも水分をとる量の目安を500mlほど増やして、対策をとっているということです。
施設の職員によりますと、例年は窓を開けるだけで過ごせる日が多かったといいますが、ことしはほぼ毎日、一日中エアコンを稼働させているということです。
特別養護老人ホーム「あつべつ南5丁目」の生活相談員・久慈隆之さんは、「北海道の建物は冬の寒さに耐えられるよう機密性の高い構造になってるので、この連日の暑さにはこたえます。電気代はこれまでと比べてかなり上がっていますが、入所者の方の健康第一ですので、エアコンを活用しながら職員でかなり気を配って対応していきたい」と話していました。