北方領土元島民がオンライン講話 返還に向けた活動継続訴える

北方領土問題の解決に向けた道の「強調月間」に合わせ、国後島の元島民の男性がオンラインで講話を開き、返還に向けた活動の継続を訴えました。

この講話は、道が定める「北方領土返還要求運動強調月間」にあわせて開かれ、国後島の元島民、野口繁正さんがオンラインで登壇しました。
インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用し、野口さんの分身となる「アバター」が仮想空間に登場して、オンラインで参加した人たちに語りかける形で行われました。
野口さんは島で3歳まで家族で暮らしていたころの体験について、「月に1回、母に連れられて配給所に行くのが楽しみだった」と振り返りました。
そして、太平洋戦争のあと、旧ソビエト軍が島に上陸し、船で島を脱出した壮絶な経験を語りました。
そのうえで、「元島民は高齢化が進んでいるので、若い人が引き継いで返還に向けた運動を続けてほしい」と訴えました。
講演のあと野口さんは「日本政府には、元島民が先祖の墓を訪れる『北方墓参』の再開や返還に向けた交渉を進めてほしい」と話していました。