全国有数そば産地深川市 大雨で収穫間近のそば畑が水につかる

先週から降り続いた大雨で深川市では6日、市内を流れる雨竜川が氾濫し、収穫を間近に控えた特産のそばの畑が水につかって出荷できない被害が出ています。

深川市では6日、市内を流れる雨竜川が氾濫し、一時、多度志地区の住民を対象に「避難指示」が出されました。
深川市はそばの収穫量が上川の幌加内町に次いで全国2位の有数の産地で、地元の「きたそらち農業協同組合」によりますと、雨竜川の氾濫によって多度志地区の複数の農家のそば畑で水につかる被害が確認されているということです。
このうち目黒時夫さんのそば畑では、6日、およそ3ヘクタールにわたって水につかり、7日朝になってようやく水がひいたということです。
目黒さんによりますと来週にも収穫する予定でしたが、水につかったそばの多くが茎ごとなぎ倒されていて、実が泥で汚れているため、出荷できない状態だということです。
目黒さんは「きのうは川と畑の境が区別できないくらい大量の水が流れ込んでいました。収穫直前だったので本当にがっかりしています」と話していました。
深川市のそばは来月にかけて収穫の最盛期を迎えますが、農協によりますと、この時期に水につかると実が育たなかったり、枯れたりするおそれがあるということで、被害状況の確認を進めています。

【士別市などでも農協が被害調査】
士別市では5日、大雨で市内を流れる温根別川が「氾濫危険水位」に達し、一時、温根別北地区の住民を対象に「避難指示」が出されました。
地元の「北ひびき農業協同組合」は大雨で農地や農作物に被害が出ていないか、7日朝から担当者が農家を訪ねて調査を進めています。
このうち、温根別地区の佐々木章元さんの農地では、大豆を育てている畑のおよそ3割が水につかったということです。
農協の担当者は佐々木さんと一緒に畑を見て回り、当時の浸水の状況を聞き取ったり、水につかった場所を写真で撮影したりしていました。
佐々木さんは「もともと水害が多い地域なので、浸水被害を心配していました。大豆の収穫量にどれだけ影響が出るのか気がかりです」と話していました。
農協によりますと、午後3時の時点で▼士別市と▼和寒町、それに▼剣淵町のあわせて25軒以上の農家で、農地の浸水などの被害が確認されているということです。
「北ひびき農業協同組合」の相楽和哉さんは「収穫量への影響を懸念する声が多く寄せられています。どれだけの被害があったのか、しっかりと状況を調査して今後の対応を検討したいです」と話していました。