豊かな秋願う「オロチョンの火祭り」4年ぶりに開催

昔ながらの道具を使って火をおこし、燃え上がる炎の周りを輪になって踊る「オロチョンの火祭り」が23日、4年ぶりに網走市で行われました。

「オロチョンの火祭り」は戦後、樺太から引き揚げてきた人たちから習った儀式を取り入れたものです。
先祖の魂を慰め、豊かな秋を願う祭りとして1950年から続いていて、新型コロナウイルスの影響で4年ぶりに23日、網走市の道の駅で開催されました。
祭りでは、昔ながらの道具を使って起こした火を祭壇にささげた上で、5世紀から10世紀ごろにかけて栄えたオホーツク文化を代表する遺跡「モヨロ貝塚」から運んだ火と1つに合わせます。
そしてこの火を会場の中心に積み上げた松の葉や枝につけると、夏の夜空に勢いよく炎が上がり、その周りをさまざまな北方民族の衣装を身にまとった人たちが輪になって踊ることで感謝や喜びを表現していました。
そして最後には訪れた観光客たちも輪に加わって一緒に踊り、会場は熱気に包まれました。
オロチョンの火祭り伝承保存会の山中博一さんは「開催できてホッとしました。観光客が踊りの輪に加わってくれて良かったです。今後、後継者がいないので継続していけるかが心配です」と話していました。