蘭越町蒸気噴出現場 作業員1人体調不良 硫化水素中毒の疑い

後志の蘭越町にある掘削現場で蒸気が噴出している問題で、掘削を行っていた会社は、現場敷地内にいた作業員1人が新たに体調不良を訴え、硫化水素中毒の疑いと診断されたと発表しました。

蘭越町湯里にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場では、先月29日以降、蒸気の噴出が続いています。
掘削を行っていた三井石油開発によりますと、今月18日、現場敷地内にいた作業員1人が頭痛や腹痛など体調不良を訴え医療機関を受診したところ、硫化水素中毒の疑いと診断されたということです。
会社によりますと、この作業員は蒸気が噴出した先月29日以降、現場敷地内で作業にあたっていて、これまでにも息苦しさやめまいの症状があったということです。
また、この作業員は主に会社の安全管理基準でガスマスクなどの防護具が不要なエリアでの作業を担当していましたが、普段は自主的にガスマスクを着用していて、18日は着用していなかったということです。
現場敷地内の作業員が体調不良を訴えたのは今回が初めてですが、会社は作業の内容などを明らかにしていない一方、体調不良は蒸気の噴出が原因だとして補償する方針だということです。
これで体調不良を訴えた人は16人になりますが、会社が蒸気の噴出と因果関係を認めたのは2人目です。