天人峡の廃虚ホテル 所有会社に撤去・土地明け渡し命じる判決

上川の観光地、天人峡温泉の国有地で廃虚となっているホテルをめぐり、旭川地方裁判所はホテルを所有する会社に対し、建物を撤去して土地を明け渡すよう命じる判決を言い渡しました。

上川の東川町と美瑛町にまたがる天人峡温泉にある「天人閣」は昭和39年(1964年)、国有地を借り受けて建設されましたが、経営不振のため5年前に閉館しました。
その後、建物はそのまま放置され、廃虚となっていることから、国はホテルを所有する東京の会社に対し、国有地の使用許可を更新せず、不法に土地を占有しているとして、建物の撤去と土地の明け渡しを求める裁判を起こしました。
裁判に会社側は出廷せず、旭川地方裁判所は19日、国の訴えをそのまま認める判決を言い渡しました。
会社には事業の実態がなく、撤去費用の負担などが見込めないことから、国と東川町は所有者に代わって建物を解体する強制執行を近く、裁判所に申し立てる方針です。
町では国の補助金などを活用して、今年度中に建物の解体を始めたいとしています。
今月には上川町の層雲峡温泉で廃虚となっている「ホテル層雲」についても同様の判決が言い渡されていて、国が解体に向けた手続きを進めています。