ヒ素濃度 飲料水基準の2700倍に 蘭越町の蒸気噴出

後志の蘭越町の掘削現場で地中から蒸気が噴出し、高い濃度のヒ素などが検出された問題で、新たに現場で採取した水から国が定める飲料水の基準の2700倍にあたる濃度のヒ素が検出されたことがわかりました。

蘭越町湯里の山中にある、地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場では、6月29日以降、蒸気の噴出が続いていて、周辺では高い濃度のヒ素や硫化水素が検出されています。
掘削を行っていた東京に本社のある三井石油開発によりますと、16日、現場で採取した水から国が定める飲料水の基準の2700倍にあたる濃度のヒ素が検出されました。
会社では毎日、ヒ素などの数値を観測していますが、これまでで最も高い値だということです。
この問題で、現場周辺ではこれまでに地元の住人など15人が体調不良を訴えているほか、森林がおよそ7.5ヘクタールの範囲で変色しているのが確認されています。
18日には、三井石油開発と蘭越町、それに国や道が参加する連絡会議が開かれ、事態の収束に向けた対応について検討することになっています。