4人死傷の飲酒ひき逃げ事件から9年 飲酒運転根絶を呼びかけ

7月13日は小樽市で女性4人が飲酒運転の車にひき逃げされ死傷した事件をきっかけに道が定めた「飲酒運転根絶の日」です。事件から9年となる13日、警察が現場近くの海水浴場を訪れた利用者らに飲酒運転の根絶を呼びかけました。

9年前の2014年7月13日、小樽市にある海水浴場「おたるドリームビーチ」近くの道路で海水浴帰りの女性4人が飲酒運転の車にひき逃げされ、3人が死亡、1人が大けがをしました。
13日で事件から9年となり、現場近くに設けられた献花台には「飲酒運転根絶」と書かれた立て看板とともに花が手向けられていました。
海水浴場では手稲警察署と小樽警察署の警察官などあわせておよそ30人が海の家を訪れ、利用者や店の経営者に「飲酒運転しない!させない!」などと書かれたうちわやポスターを手渡して飲酒運転の根絶を呼びかけていました。
道警によりますと、道内の飲酒運転の検挙数は、ことしは6月末の時点で349件と、去年の同じ時期と比べて40件多いということです。
ドリームビーチ協同組合の深井静枝理事長は「あの日から事件のことを忘れた日はありません。これから海水浴シーズンが盛り上がってくるので気を引き締めていきたい」と話していました。
手稲警察署の相馬義範交通第一課長は、「風化させてはいけない事件だが飲酒運転ゼロに向けては道半ばだ。1人1人が強い気概を持って飲酒運転防止に取り組んでほしい」と話していました。

【札幌市では決起大会】
道は、小樽市で海水浴帰りの4人が死傷した飲酒ひき逃げ事件が起きた7月13日を「飲酒運転根絶の日」と定め、毎年、札幌市内で決起大会を開いています。

ことしはおよそ300人が出席し、はじめに全員で黙とうをささげたあと、鈴木知事が「飲酒運転を根絶する強い決意と絶対に見逃さない社会の目を道内のすみずみまで広げたい」とあいさつしました。
また、北海道警察本部の鈴木信弘本部長は「飲酒運転は、一瞬で人の命を奪うほか、発覚を恐れてひき逃げ事件に発展してしまうなど、極めて悪質・重大な犯罪だ」と述べました。
このあと、札幌西高校の演劇部の生徒たちが、仲間の姉が飲酒運転による事故を起こしてしまうというストーリーの劇を上演し、飲酒運転が被害者だけでなく、自分や家族の人生も大きく変えてしまう怖さを訴えました。
道内では13日から夏の交通安全運動が始まり、道警では今月22日までの10日間にわたって▽飲酒運転の根絶や▽夏場に利用が増えるバイクや自転車の事故防止などを重点的に呼びかけています。