南西沖地震30年 教訓を次の世代に伝える語り部の思い

震災から30年、島でもあの日のことを知らないという世代が増えています。災害から得た教訓を次の世代にどのように伝え今後の備えにどう生かしていくか語り部として活動する男性を取材しました。

【3分以内に津波第一波到達のおそれある自治体は10市町】
道によりますと、地域ごとに想定されている地震の大きさは異なるものの、北海道沿岸でマグニチュード7から9クラスの地震が起きた場合、最短で3分以内に津波の第一波が到達する恐れがある自治体は、▼稚内市▼羅臼町▼豊富町▼礼文町▼幌延町▼天塩町▼羽幌町▼せたな町▼奥尻町▼松前町の、あわせて10の市と町です。
このうち、松前町では南西沖地震が発生した1993年以降、高齢者などが町の北側にある山へすぐ逃げられるよう、手すりなどが付いた避難路を60か所以上整備してきました。
また、高齢者と要配慮者に限り、車での避難も認めています。
車での避難は渋滞などを招く恐れがあることから自治体によって判断が分かれていますが、松前町の担当者は、「津波到達までの時間が短いため、車での避難を認めないと逃げ遅れる人が出るため」としています。
稚内市では、市内にある65の町内会に所属する全住民の避難計画の策定を目指しています。
現在は、沿岸に位置する40の町内会で優先的に避難計画の策定を進めていて、およそ3分で津波が到達すると想定されている抜海町内会では、車を持っている住民が高齢者や要配慮者を乗せて避難場所へ向かうなどの避難方法を盛り込んでいるということです。