蘭越町の蒸気噴出 掘削現場で採取した水から高濃度のヒ素検出

後志の蘭越町の地熱発電の調査現場で蒸気が噴出している問題で、掘削を行っていた会社は現場の敷地内で採取した水から非常に高い濃度のヒ素が検出されたと発表しました。現場周辺の川では農業用水の基準を超えるヒ素が検出されていて会社では引き続き住民に注意を呼びかけています。

先月29日、蘭越町湯里の山中にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場で数十メートルの高さまで蒸気が噴出し、6日夜の時点でも噴出が続いています。
掘削工事を行っていた「三井石油開発」は6日夜、今月3日と5日に現場の敷地内で採取した水から非常に高い濃度のヒ素が検出されたと発表しました。
このうち5日に採取した水には1リットルあたり15.9ミリグラムのヒ素が含まれていて、これは国が定める飲料水の基準の1590倍にあたるということです。
会社ではこれらの水を水道水や農業用水として使われていない近くの沼に放出するなどしているということです。
ただ現場周辺の川ではこれまでに農業用水の基準の1.8倍のヒ素が検出されていて、会社では噴出している蒸気にもヒ素が含まれているおそれがあるとして引き続き周辺の住民に注意を呼びかけるとともに町や消防などの関係機関と対応を協議しています。
また「三井石油開発」は6日、蘭越町が設置している健康被害の相談窓口に新たに1人から体調不良の訴えがあったと発表しました。
会社では「現時点で蒸気噴出との因果関係は不明だ」としています。