層雲峡の廃虚ホテル 所有会社に撤去と土地明け渡し命じる判決

上川の観光地、層雲峡温泉の国有地で廃虚となっているホテルをめぐり、旭川地方裁判所はホテルを所有する会社に対し、建物を撤去して土地を明け渡すよう命じる判決を言い渡しました。会社は事業の実態がなく、撤去費用の負担が見込めないことから、国は代わって建物を解体する強制執行の手続きを取る考えです。

上川町の層雲峡温泉にある「ホテル層雲」は昭和40年(1965年)ごろ、国有地を借り受けて建設されましたが、経営不振のため、平成23年(2011年)に閉館しています。
その後、建物はそのまま放置され廃虚となっていることから、国はホテルを所有する2つの会社に対し国有地の使用許可を更新せず、不法に土地を占有しているとして建物の撤去と土地の明け渡しを求める裁判を起こしていました。
会社側は反論せず、旭川地方裁判所は6日、国の訴えをそのまま認める判決を言い渡しました。
判決を受けて、国は、会社には事業の実態がなく撤去費用の負担などが見込めないことから、所有者に代わって建物を解体する強制執行を裁判所に申し立てる考えです。
上川地方では、東川町と美瑛町にまたがる天人峡温泉の国有地内にあるホテル「天人閣」も、閉館後、廃虚になっていて、国は同様に所有する会社に対し、建物の撤去と土地の明け渡しを求める裁判を起こしています。