「北海道開拓の村」で観光用馬車が衝突 事故原因を調査

札幌市の野外博物館「北海道開拓の村」で4日、観光客を乗せた客車を引く馬が格納庫に衝突する事故があり、博物館を運営する財団は事故原因の調査を始めました。

4日午前11時ごろ、札幌市厚別区の「北海道開拓の村」で、「馬車鉄道」と呼ばれる観光用の乗り物で事故がありました。
運営する北海道歴史文化財団によりますと、「馬車鉄道」は500メートルほどのレール上の客車を、馬が引いて往復するもので、馬が本来止まるはずの停止位置で止まらず、観光客を乗せた客車ごと30メートル先の格納庫に衝突したということです。
当時、客車には乗客7人と乗員2人が乗っていましたが、全員けがはなかったということです。
この事故を受けて、5日午前8時半から道や運営する財団の担当者が事故現場を訪れ、写真を撮ったり責任者から話を聞くなど事故原因の調査を始めました。
馬車の運行にあたっていた乗員は調査に対し、「朝から車両のブレーキの利きが悪かった」などと話しているということです。
財団では、独自の安全マニュアルを作成して安全管理を行っていたということで、事故の詳しい原因を調べるともに安全が確認できるまで当面、運行を休止するということです。

【馬はしりに傷】
「北海道開拓の村」によりますと、格納庫に衝突し、客車と格納庫の間に倒れ込んだ馬は、係員によって引っ張り出されましたが、しりに傷があり、獣医師による治療を受けているということです。

【衝突の瞬間を撮影】
4日、「北海道開拓の村」で観光客を乗せた客車を引く馬が格納庫に衝突した事故で、NHKのスクープボックスに乗客の男性から撮影した映像が寄せられました。
映像は、客車の中から撮影されたもので、はじめは外の景色がゆったりと流れる様子が映し出され、カーブを曲がったあたりから馬が徐々にスピードを上げ、乗客が「走っている走っている」話す声が確認出来ます。
馬は足音を立てながら緩やかな下り坂をさらに加速し、乗員はたずなを引いたり、客車のブレーキを操作したりしても馬が止まらないことがわかります。
格納庫が目の前まで迫ると、乗客の「あー」という声のあと、撮影していたスマートフォンが手元から落ちた衝撃で画面は真っ暗になります。
衝突後、客車と格納庫の間に馬が挟まったまま倒れ込み、係員が引っ張り出そうとする様子も映っています。
映像を撮影した上川の当麻町に住む菅克則さんは「スピードが出たまま急に曲がった時には客車が倒れると思い、その瞬間、今度は格納庫が目の前に見えて、これはけがをすると覚悟した。衝突の衝撃で2メートルほど飛ばされ、子連れの女性にあたって止まった。衝突の直前に乗員が注意を呼びかけ、乗客は身をかがめたので全員にけががなかったと思う。原因を究明して再発を防いでほしい」と話していました。