北海道大学の食堂でアイヌ伝統料理を提供するフェア

北海道大学で3日からアイヌ料理を提供するフェアが始まり、訪れた人たちがアイヌの伝統的な料理を楽しんでいます。

アイヌ語の石狩方言で「ごはん食べよ!」という意味の「イペアンロク!」と名づけられたアイヌ料理フェアは、多くの人にアイヌ民族の食文化を体験してもらおうと北海道大学のアイヌ共生推進本部などが企画しました。
提供されるのはアイヌの伝統的な調理法で作った4品で、▽雑穀の一種で黄色い粒が特徴のイナキビを混ぜて炊いた「イナキビご飯」のほか、▽鹿肉を野菜などと煮込んだ汁物、▽魚の身をミンチにしていくらを合わせたどんぶり、それに▽かぼちゃと豆などを使った和え物を3日から5日間、大学にある8つの食堂で食べることができます。
アイヌ料理に詳しい専門家に助言をもらった上で、有志の学生も参加して試食会を行うなどして準備したということです。
訪れた人たちは、一口ずつ味わいながらお互いに感想を言い合ったりして伝統料理を楽しんでいました。
このうち魚をミンチにしたどんぶりを食べていた大学院に通う男性は「初めて食べましたが、魚の味がよく出ていてすごくおいしいです。ことしから北海道に来ましたが、こういうものにいままで触れる機会がなかったので、実際に体験できるのがよかったです」と話していました。
また20代の男性は「おいしいです。北海道なのでアイヌ文化に触れられる機会があるのは良いことだと思います」と話していました。
フェアを企画した北海道大学アイヌ・先住民研究センターの北原モコットゥナシ教授は「いろんな方に触れて、経験してもらえたらいいです。人によっては学内にアイヌ民族がいることを知らない人もいると思う。ここにアイヌ文化があって、アイヌ民族がいるんだというように感じられる、そういう機会になればうれしいです」と話していました。