蘭越町で蒸気噴出続く 付近の川白く濁り影響を懸念する農家も

後志の蘭越町にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場で蒸気が噴出してから3日で5日目です。現場付近の川には石英を主成分とする地下鉱物が流入していて、地元の農家からは影響を懸念する声があがっています。

蘭越町では先月29日から、地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場で数十メートルの高さまで蒸気が噴出していて、3日も噴出の勢いは止まっていません。
掘削を行っていた「三井石油開発」は1日、蒸気とともに石英を主成分とする地下鉱物が噴出し、近くの川に流れ込んでいると発表しました。
会社によりますと、石英自体に毒性はないということですが、水質や土壌への影響は調査中だとしています。
町によりますと、現場近くの川では水が白く濁る現象が続き、当初より範囲が拡大していて、町は3日時点で町内のおよそ70軒の農家に濁った川からの取水を控えるよう呼びかけているということです。
このうち、5棟の農業用ハウスでトマトの栽培を行っている野口圭介さんの農園には3日午前中、町の依頼を受けた消防のポンプ車が訪れ、農業用水を提供していました。
野口さんによりますと、現在は水の使用量を普段の3分の2ほどに減らして栽培を続けているということですが、この状況が続けば気温が上がるこれからの時期に思うように水を与えられなくなりトマトの生育に影響が出るということです。
野口さんは「収入にもかかわる問題なので不安ですが、会社からは何の説明もなく、説明責任を果たしていないと感じます。水の成分だけでなく、化学肥料と一緒に使用した場合の影響についても調査し、1日も早く結果を報告してほしい」と話していました。