函館市でキングサーモン養殖研究の成果報告

函館市が新たな特産にしようと取り組んでいるキングサーモンの養殖研究などについて、これまでの成果を報告する会合が市内で開かれました。

この会合は「函館市国際水産・海洋総合研究センター」で研究開発事業に携わる学術機関や企業がこれまでの成果を報告しようと開かれたもので、市内の水産業の関係者など90人余りが出席しました。
このうち函館市が事業化に向けて取り組んでいるサケ科の中で最大級の魚、キングサーモンの養殖研究について、北海道大学大学院の藤本貴史准教授が進捗状況を説明しました。
この中で、函館の沖合で定置網にかかったキングサーモンから卵を採取して稚魚をふ化させる人工授精について、令和3年度は成功しなかった一方、昨年度は運搬中の飼育方法や水温を調整したことなどからおよそ9000匹のふ化に成功したほか、稚魚がおよそ9か月で20グラムほどまでに成長したことを説明しました。
稚魚は今後、生けすで飼育する試験を実施するなど、水槽や海面でどのように成長するかなどを調べるということです。
藤本准教授は「今回ふ化した稚魚がどのように育つのかの結果が分かるのは4年後になるので、丁寧に飼育して様子を見ていきたいと思います」と話していました。