蘭越町で蒸気噴出 調査の掘削した会社の役員が謝罪

後志の蘭越町にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場から蒸気が噴出している問題で、掘削を行っていた会社の役員が30日、蘭越町を訪れ、町などの関係者に対して謝罪するとともに、現在の状況について説明しました。

29日午前11時半ごろ、蘭越町湯里にある地熱発電に向けた資源量調査の掘削現場から、数十メートルの高さまで蒸気が噴出しました。
24時間以上がたった30日午後5時半現在も蒸気の勢いはおさまっておらず、三井物産の完全子会社で、掘削を行っていた「三井石油開発」によりますと、現地での確認の結果、蒸気とともに地下鉱物とみられるものが噴出していることが分かったということです。
また、消防が29日に調べたところ、噴出しているガスの大気中の濃度は、健康を害するレベルではないとしています。

30日、「三井石油開発」の役員が蘭越町を訪れました。
会社によりますと、町や道、それに地元の警察や消防などの関係者に対して、混乱を招いている事態について謝罪するとともに、現在の状況について説明したということです。
蒸気が噴出している現場の近くでは、川の水が白く濁る現象が確認されています。
町によりますと、町内のおよそ20軒の農家に対し安全が確認されるまでこの川から取水することを控えるよう呼びかけるとともに、要望があった農家に対しては不足した分の農業用水を消防のポンプ車を使うなどして届ける対応を行なっているということです。
会社では水を注入して蒸気の噴出をおさえる作業を行っているものの勢いがおさまらないことから、今後、別の方法を検討するとともに、蒸気や濁った川の成分についても詳しく調べることにしています。
三井石油開発の春日毅取締役は町などへの説明のあと記者団の取材に対し「現状の説明と皆様にご迷惑をおかけしていることについておわびを申し上げた」と述べました。